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契約は、原則として当事者の合意(一方がが申込み他方がこれを受諾)があれば、
成立します。
必ず契約内容を書面(契約書等)にして、これに署名・押印をしなければ、契約が
成立しないと云うことではありません。
契約締結の方式はあくまで各人の自由で、口頭による契約でも書面による契約で
も、契約としての法律上の効力は何の違いもありません。
しかし、契約方式自由の原則の例外として、次に示す契約は、書面(契約書等)の
作成が契約の成立要件となっているものや、法律で契約の書面化を強く要請して
いるものです。
《書面作成が契約の成立要件となる契約》
① 任意後見契約(任意後見契約に関する法律3条)
任意後見契約は、法務省令で定める様式の公正証書によらなければなりま
せん。
② 事業用定期借地権設定契約(借地借家法23条3項)
専ら事業のために使用する建物を所有する目的で、契約の更新や建物の
買い取りが認められず、契約期間が満了すると確実に土地を明け渡さなけ
ればならない借地権の設定契約は、公正証書によらなければなりません。
③ 定期借地権設定契約(借地借家法22条)
存続期間を50年以上とする定期借地権を設定する契約は、公正証書によ
る等の書面によらなければなりません。
④ 更新の無い定期建物賃貸借契約(借地借家法38条1項)
期間の定めのある建物を賃貸借する場合、公正証書による等の書面によ
って契約するときに限り、契約の更新がないこととすることができます。
⑤ 取壊し予定の建物の賃貸借契約(借地借家法39条)
法令又は契約により、一定の期間経過後に取り壊すことが決まっている建
物を賃貸借する契約で、建物を取り壊すこととなる時に賃貸借契約が終了
する旨を定めることができます。
この契約は、建物を取り壊すべき事由を記載した書面によらなければなり
ません。
《書面作成が法律で義務付けられている契約》
① 農地の賃貸借契約(農地法21条)
農地又は採草放牧地の賃貸借契約については、契約存続期間、借賃等の
額及び支払条件、その他の契約内容を書面により明らかにしなければなり
ません。
② 建設工事請負契約(建設業法19条)
建設工事の請負契約の当事者は、契約書等を作成し、工事内容、請負代
金、着工期等の契約内容を記載しなければなりません。
③ 割賦販売法に定める指定商品ついての月賦販売契約(割賦販売法4条)
割賦販売法に定める指定商品について割賦販売契約結ぶときは、売主から
買主にたいして、割賦販売価格、商品の引渡時期等を記載した書面を交付
しなければなりません。
(注)上記①〜③の契約は、書面作成(契約書等の作成)が私法上の契約成立の
要件にはなっておりません。
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