契約書と印紙税の関係について

inshi001   契約書を作成した際に関係する印紙税についての
   お役立ち情報です。

   お役に立てれば幸いです。

 

 

 

     


       収入印紙の貼付が必要な契約書かどうかの判断について
       印紙税の納付方法
       契約書に収入印紙を貼らなかった場合
       誤って納付した印紙税の還付について
       収入印紙が貼られていない契約書の効力について
       契約書の複数部数に対する印紙税課税について 
       国、地方公共団体等と民間が交わす契約書の印紙税について      

 

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収入印紙の貼付が必要な契約書かどうかの判断について

各種の契約書を作成した場合、「その契約書に収入印紙の貼付が必要なのか不要な
のか、
また、収入印紙の貼付が必要な場合、いくらの収入印紙を貼付するばよいのか
などと迷った経験をお持ちの方が結構おられるのではないでしょうか。

作成した契約書に収入印紙の貼付(課税)が必要とされるのは、その契約書が印紙税法」
で定められた「課税文書
に該当する場合です。

国税庁のホームページの印紙税欄には、課税文書に該当するかどうかの判断を、「下記
三つの条件の全てに当てはまる文書であること
」と定義付けた内容が掲載されております。

 @ 印紙税法別表第一(課税物件表)に掲げられている20種類の文書により
    証明されるべき事項(課税事項)が記載されていること。

 A 当事者の間において課税事項を証明する目的で作成された文書であること。

 B 印紙税法第5条(非課税文書)の規定により印紙税を課税しないこととされ
   ている非課税文書でないこと。

  課税文書に該当するかどうかはその文書に記載されている内容に基づいて判断
  することとなりますが、当事者の約束や慣習により文書の名称や文言は種々の
  意味に用いられています。そのため、その文書の内容判断に当たっては、その
  名称、呼称や記載されている文言により形式的に行うのではなく、その文書に記
  載されている文言、符号等の実質的な意味を汲み取って行う必要があります。
  (以下省略)

                                                                               (国税庁のHPより)

上記の定義から、作成した契約書が「課税文書」に該当するかどうかは、契約書の名称や
呼称から形式的に行うのではなく、契約書に記載されている内容に基づいて判断すること
になります。
しかし、その契約書に記載されている内容によっては、判断に迷うことがあるかも知れませ
ん。

国税庁が公開している「印紙税額一覧表」等から、概ね課税文書か非課税文書かの判断
はできますが、それでも判断に迷うときは、管轄税務署に作成した契約書を持参して、
税文書に当たるかどうか尋ねるのが確実ですし、後々問題にならないようにするためにも
その必要があると思います。

                                      国税庁の印紙税額一覧表(その1)はこちら
                                      国税庁の印紙税額一覧表(その2)はこちら


【非課税文書と不課税文書】
印紙税法では、課税文書以外の文書を非課税文書と不課税文書に分類しています。

 《非課税文書とは》
 印紙税法別表第一(課税物件表)の何れかの号に該当するが、除外規定で課税対象と
 ならない文書をいいます。(例えば、印紙税法別表第一の1号文書に該当する契約書で
 あっても、契約金額が1万円未満の場合は、非課税文書に該当し、収入印紙の貼付は
 必要ありません。)

 非課税文書について、印紙税法5条で下記のとおり定められています。

 (非課税文書)
 第五条 別表第一の課税物件の欄に掲げる文書のうち、次に掲げるものには、印紙税
 を課さない。
  一  別表第一の非課税物件の欄に掲げる文書
   二  国、地方公共団体又は別表第二に掲げる者が作成した文書
  三  別表第三の上欄に掲げる文書で、同表の下欄に掲げる者が作成したもの

  

 
《不課税文書とは》
 課税物件表の何れの号にも該当せず、課税対象とならない文書のことをいいます。
 つまり課税文書でも非課税文書でもない文書のことです。 

 

【不課税文書に該当する主な契約書】

ちなみに、以下に示す契約書は不課税文書に該当しますので、収入印紙の貼付は不要
です。

 ○ 委任契約書(無償であることがポイントです)
 ○ 使用貸借契約書(無償であることがポイントです)
 ○ 建物賃貸借契約書
   (但し、不動産賃貸借契約書のうち、土地賃貸借契約書は課税文書に該当するため、
    収入印紙の貼付が必要になります) 
 ○ 動産売買契約書(機械売買契約書等)
  ○ 動産賃貸借契約書
 ○ リース契約書
 ○ 雇用契約書
 ○ 出向契約書
 ○ パートタイマー契約書
 ○ 労働者派遣契約書
 ○ 秘密保持契約書
 ○ 技術提携契約書
 ○ 特許権専用実施権設定契約書
 ○ 特許権通常実施権設定契約書
 ○ 実用新案権専用実施権設定契約書
 ○ 実用新案権通常実施権設定契約書
  ○ ソフトウイェア利用許諾契約書
 ○ 業務提携基本契約書
 ○ 示談契約書
 ○ ソフトウェア保守契約書(自社が著作権を有するソフトウェアの利用許諾先との保守
   契約の場合)

  etc

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印紙税の納付方法

印紙税とは、経済的な取り引き等において、それを証明する文書(これを課税文書と云い、
契約書、受領書、証書、帳簿等がこれにあたります)の作成者に対して課税される税金
す。

課税文書が契約書の場合、作成者とは契約当事者のことであり、契約当事者各自が各々
印紙税を納付することにになります。
なお、印紙税法上は、契約当事者が連帯して印紙税を納める義務があります。(印紙税法
第3条2項

この場合、契約当事者のうちの1人が課税文書に係る印紙税を納めたときは、(例えば、
契約書2通を作成し、その2通分の印紙税を契約当事者の1人が全て納めた場合等)
他の者の納税義務は消滅します。 

印紙税の納付は、通常、課税文書に印紙税法で定められた税額に相当する収入印紙を
貼り付け、
課税文書と収入印紙の彩紋にかけて、印章又は署名で消印する方法で行い
ます。
また、消印は、通常、文書を作成した者(納税義務者)が行いますが、代理人、使用人、
従業員が代わって消印することも可能です。
消印は、添付した収入印紙が再度使用されるのを防止するためのものです。


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契約書に収入印紙を貼らなかった場合

課税文書に該当する契約書に、必要な額の収入印紙を貼付しなかった場合、印紙税未
納となり、納付すべき印紙税額の3倍に相当する額の過怠税が徴収されることになります。

但し、税務署の調査を受ける前に、自主的に収入印紙を貼付しなかったことを申し出た
ときは、
徴収される過怠税が1.1倍に軽減されます。

また、せっかく契約書に収入印紙を貼付しても、収入印紙を消印しなかった場合その
入印紙の金額に相当する過怠税が徴収されることになります。

なお、印紙税法には上記の過怠税とは別に罰則規定があり、印紙税に対する違反の度合
によって懲役刑や罰金刑が定められていす。(印紙税法22条〜25条

例えば、故意に印紙税の納付を免れた場合には、年以下の懲役若しくは100万円以下
の罰金又はこの併科
という刑罰が定められています。(印紙税法22条


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誤って納付した印紙税の還付について

印紙税のかかる契約書(課税文書)に所定の金額を超える収入印紙を貼付したり、逆に、
印紙税のかからない契約書(非課税文書)に収入印紙を貼付した場合のように、誤って
納付した印紙税は還付してもらうことができます。

誤って納付した印紙税の還付を受けるには、税務署に用意してある「印紙税過誤納確認
申請書」に必要事項を記入のうえ、納税地の税務署長に提出します。
申請する際には、申請書の他に次のものが必要です。

   収入印紙を誤って貼付した契約書

   契約書に押印した印鑑

   法人の場合は、代表者印

還付される印紙税額は、銀行口座振込みか、郵便局を通じての送金となりますので、還
付金を受け取るまで多少日数がかかります。

なお、還付請求は、過誤納となっている文書(契約書)を作成した日から5年以内に申請
しなければなりません。
5年経過後は、時効により還付請求権は消滅します。 

 
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収入印紙が貼られていない契約書の効力について

課税文書に該当する契約書に収入印紙が貼られていない場合、契約書の効力(契
約の成立や、契約の内容)
に影響があるか、と云うと、原則として影響はありません。
契約書に収入印紙を貼る義務は、課税文書の作成者が印紙税法に従って、国に対して
税金を納める義務であり、契約の成立や契約の内容とは無関係であるからです。

しかしながら、契約書に収入印紙が貼られていなければ、当然、印紙税法に定めら
れている過怠税の徴収や、故意に収入印紙の貼付を怠った場合刑罰規定の対
になります。

また、契約書に収入印紙が貼られていない場合、登記申請手続等で支障のでるこ
とがあります。
例えば、不動産の登記申請の際、登記申請書に添付する書類の1つである登記原因証
明情報として「不動産売買契約書」の添付が必要になりますが、この契約書に収入印紙
が貼られていないと登記申請は受け付けられません。

何れにしても印紙税は、所得税や法人税等と同様、税務署による税務調査の対象です。
後々問題にならないように、課税文書に該当する契約書及び契約書以外の課税文書に
も、所定の収入印紙を貼付し、適切に事務処理を行うことが大事です。


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契約書の複数部数に対する印紙税課税について

契約が成立すると、契約の当事者が互いに相手方当事者に対して成立した契約の内容を
主張・確認・証明するために契約書を作成します。
そして、契約書は各当事者が1通ずつ所持するのが一般的です。

課税文書に該当する契約書2通以上作成した場合原則、全部の契約書、収入印紙
貼付が必要になります。

また、契約書の作成において、契約当事者の一方が所持するものに正本(又は原本)と表
示し、別の当事者が所持するものに副本、謄本、写しなどと表示することがあります。

印紙税は、契約の成立を証明する目的で作成された文書を課税対象にしますから、契約
書に副本、謄本、写しなどと表示してあったとしても、次の条件に該当する場合は、収入
印紙の貼付が必要になります。

印紙税は、契約当事者各自が各々負担することになります。(印紙税法上は、契約当事者
が連帯して納める義務があります。(印紙税法3条2項)) 

 
 @ 契約当事者の双方又はその契約書の所持者以外の一方の当事者の署名又は押
   印があるもの

  
 A 正本(又は原本)と相違ないこと、又は副本、謄本、写しであることの契約当事者の
   証明があるもの


なお、次の条件に該当する場合、収入印紙の貼付は不要です。


 @ 所持する契約書に自分だけの印鑑を押印したもの
   (契約の相手方当事者に対する証明の用をなさないため

  A 契約書の正本(又は原本)を複写機でコピーしただけもので、契約当事者の署名
   若しくは押印又は証明がないもの
   (単なる写しにすぎないため


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国、地方公共団体等と民間が交わす契約書の印紙税について

印紙税の非課税対象団体である国、地方公共団体等と民間企業等との間で取り交わす
契約書が課税文書に該当する場合、民間側は、課税文書に対する印紙税を納付する
ことになります。

印紙税法では、国、地方公共団体等と民間が取り交わす契約書が課税文書に該当する
場合の印紙税の取り扱いにいて、次のとおり定めています。

 


印紙税法
第4条(課税文書の作成とみなす場合等)
1〜4項(省略)
5項 次条第2号に規定する者(以下この条において「国等」という。)と国等 以外
    の者とが共同して作成した文書については、国等又は公証人法(明治41年
    法律第53号)に規定する公証人が保存するものは国等以外の者が作成し
    たものとみなし、国等以外の者(公証人を除く。)が保存するものは国等が作
       成したものとみなす。

6項 前項の規定は、次条第3号に規定する者とその他の者(国等を除く。) とが
    共同でして作成した文書で同号に規定するものについて準用する。

第5条(非課税文書)
 別表第一の課税物件の欄に掲げる文書のうち、次に掲げるものには、印紙税を
  課さない。
 @ 別表第一の非課税物件の欄に掲げる文書
 A 国、地方公共団体又は別表第二に掲げる者が作成した文書
 B 別表第三の上欄に掲げる文書で、同表の下欄に掲げる者が作成したもの


上記の条文内容から、国、地方公共団体等(以下国等という。)と民間とが取り交わす
契約書(課税文書)のうち、民間側が保存する契約書は「国等」が作成したものとみな
して非課税とし、「国等」が保存する契約書は民間が作成したものとみなして課税とな
り、この課税分の印紙税を民間側が負担することになります。

この場合の契約手続の流れは、概ね次のようになると思います。

1.国等のひな型で作成された契約書が、民間側に2部(契約が1対1の場合)渡されま
  す。

2.民間側は、この契約書に契約当事者の押印(又は署名・押印)をし、その1部に課税
  額に相当する収入印紙を貼付して、2部とも国等に提出します。

3.国等は契約書に関する決裁が済むと、収入印紙が貼付されていない方の契約書を、
   民間側に(控えとして)返却します。


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